餓鬼というのは仏教における鬼のひとつで、生前に悪事を働いて人間が餓鬼道に落ちた姿である。いつも飢えと乾きを苛まれているために、人間界に降りてきては人に取り憑いて家の食料を食べ尽くすとされており、一部の地方ではお盆に餓鬼を避けるために餓鬼棚を作るところもあるなど、昔の日本ではかなり恐れられた存在だった。
ご飯時に子どもが待ちきれなくて茶碗を叩くことが行儀の悪いことであるのは今も昔も変わらず、餓鬼を呼び寄せることだと怖がらせて、子どもの行儀を正す知恵だった。
子どもは好奇心が強くて社会のルールに反することであっても、興味があることだとついやってしまうことがあり、火遊びもその一つである。寝小便をすることは子供にとって最も恥ずかしくて嫌なことであるので、子どもの羞恥心を煽って火遊びを止めさせる為に大人が作った話というのが有力である。